【バドミントン】ルール改正から考える「試合を有利に進める“思考法”」
この記事では、改正後のルールから試合を有利に進めるための思考についてご紹介いたします。
ルール改定で最もプレーの変化を求められたのは、やはり2006年のラリーポイント制でしょう。
それまでは15点3ゲームのサービスポイント制でしたので、実力差があるとなかなか勝つことができなかったのも事実でした。
中学1年生の私が初めて出場した大阪府大会では、1回戦で強豪校の3年生と対戦し、1点も取れず、0-15、0-15で負けました。
サービス権をとれたとしても連続で決めることがでなかったのです。
また、学校内でも一つ上の先輩と試合させてもらった時もラブゲームで負けたことが多々ありました。
その当時は一桁しか点数が取れない試合が多くそれだけ実力差がはっきりと出ていました。
しかし、ラリーポイント制になり常に得点できるチャンスが生まれると、ラブゲームで試合が終わるのは非常に珍しく、よっぽど実力差が開いていない限り半分の10点くらいは得点できるようになりました。
そして、点数の動きが早いため心理的にも大きく影響を及ぼし始め、5点差くらいでは、一気に逆転する場面が多くみられ、世界大会でもたとえ前半を11-0でリードしていたとしても、点差が詰められる状況から焦りが出てきて、逆転されてしまうという場面も起こりました。
サービスポイント制ではほぼ起こらなかったことです。
点数差が油断を生む
ルール改正前からプレーしている人にとっては、5点差が開くと少し安心できる試合展開でした。
しかしある年の全日本シニアで痛い経験をしたことがあります。
いい流れで13-8とリードした時、ふと気を抜いて前へのつなぎ球をネットにかけてしまったことがあります。
15点サービスポイント制の感覚では安心の得点圏です。
その時は大丈夫だろうと気にも留めていなかったのですが、そこから追いつかれ接戦に、そして逆転で敗退。
もちろん相手も実力者ですのでプレーを変化させていたのでしょう。
しかし、私はそれに気づけずに「もういけるだろう」という油断から「今どう得点するか」まで思考が及ばず、追いつかれる中で焦り、逆転される中で後悔するという悪循環に入ってしまいました。
結果への思考
脳科学的な観点から言うと、一瞬でも結果を考えてしまうと脳血流量が一気に下がるので(「脳に悪い7つの習慣」:林成之著)、体が思うように動かせなくなります。
そして、血流量が戻るのは数分後ということなので、その間に逆転されることも多く起こります。
ラリーポイント制からバドミントンを始めた人はそんなことは少ないと思いますが、今のシニア世代は気を付けなければならないところです。
私は常に「5点差は危険でもありチャンスでもある」と自戒の念も含めて心に置いています。
たまにゲーム練習時に5点差でわざと油断してみることがあります。
「どうなるかな?」と展開を眺めているのですが、ほぼ予想通り接戦にもつれてしまいます。
相手は関係なく自分のプレーに精彩が欠けてしまうためだと思います。
そうなると実力が出せず、次への課題も見えにくくなるので、やはり「損をする」と言わざるを得ないでしょう。
サービスへのプレッシャー
次に、今でも最も大きく影響を受けているのがサービスへのプレッシャーです。
サービス権を持っていても相手に得点されるということは、サービスエラーでゲームが終わる、もしくは試合に負けるということもあるということです。
このプレッシャーに多くの方は悩まされているのではないでしょうか。
私もその一人で、サービスでうまく体が動かなくなり、結果、浮いてしまったり、エラーになったりしてしまいます。
ゴルフなどでよく使われる「イップス」とでもいうのでしょうか。
ある方には「『絶対に入る!』と念じて打つと入る!」とアドバイスされましたが、なかなかうまくいかない今日この頃です。
シングルスのロングサービスでは腕を大きく前に振り出せずに手で押すだけになり、しかも面が切れてしまいコートの半分くらいまでしか飛ないということが現在でもよく起こります。
ノック練習などで球出しをするときは何にも起こらないのですが、いざゲームとなれば腕が思うように動かせません。
全日本シニアでもそれが出てしまい、真ん中までしか飛ばないサービスをスマッシュ一本で決められてしまうラリーが半分くらいありました。
自分ではいろいろと工夫をして、ラケットをフラット気味に持ったり、シャトルを落とすだけにしたり、立ち位置を変えたりしているのですがうまくいきません。
ショートサービスを使ってもいのですが、巧みな相手にはネットでもロビングでも一気に追い込まれてしまうので、まだまだサービスを改善しなければならない部分が多く、不安でしかたがありません。
ダブルスのショートサービスでも同じことが起こり、シャトル位置にセットしたラケットヘッドが後ろに引けなくなったり、その不安からか今度はシャトル位置にセットする前に打ち出してしまい、結果、うまく当たらずにネットにかかったり、タイミングを読まれて簡単に押し込まれてしまいます。
- 「シャトルを持つ手を動かさないように」
- 「ラケットは肩甲骨で後ろに引く」
- 「優しく運ぶように押す」
などいろいろとコツはあります。また、
「ロングサービスでいいじゃん」
という考えもあります。さて、皆さんはどのようにお考えでしょうか。
もしくは「そんなこと意識しない」ようにしてうまく打っているという人もいるかもしれませんね。
まとめ
回転をかけて変化させるショートサービスが大会でよくみられるようになりました。
羽の部分を切る(スライスする)のはルール違反ですが、コルクを切るのでルール上は問題ないようです。
上から下へ切ってシャトルを上下に揺らせたり、斜めから切って回転させたりと、たまにとても返しにくいサービスに出会います。
指で弾いてシャトルに回転を加えてから打つという荒業もありますが、高校生の試合では議論の対象となり、その大会では禁止されたようです。
これは今、後禁止される対象になっていくでしょう。
また、最近のガットはよくできていてとても滑りにくい構造のものがあります。
私もそういうガットで打つと回転がかけやすくなりました。
サービスの高さが115cmまでとなった現在、どのようなサービスが作られるか、これは試合に大きな影響を及ぼすと考えられます。
ちょっと怖いですね。
▼▼▼合わせて読む▼▼▼ ショートサービスを浮かない“4つ”のコツ
バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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