【有田圭一 コーチ】シャトルを打つイメージを変える
皆さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
目次
「打つ」イメージを考える
私には、高校からバドミントンを始めた息子がいます。
中学校までは、卓球を頑張っていました。
新型コロナウィルスの影響で新年度早々から休校になり、6月から本格的にバドミントン部に入部しました。
公式戦は、参加人数制限があるため出場はできていません。
週末は、家族でバドミントンの練習に出かけ、コート間で打ったり、たまにゲームに入れてもらっています。
最近は、トッププレーヤーの動画などを見ながら、いろいろと考えているようです。
そんな中、昨年末に団体戦に出場してきました。
- 男子ダブルス
- 女子ダブルス
- ミックスダブルス
の3つで勝敗が決まります。
2試合目には、息子と高校始めの初心者ペアでミックスダブルスを組みました。
ペアの女の子もバスケットボールからの転身ですので、スポーツに関して全くの初心者ではありません。
初心者のストロークを見て
その時に撮影した動画をじーっと見ていて思ったのですが、シャトルに対してラケットを大きく回して打ち込んでいくので、
- タイミングがずれる
- ラケット面にうまく当たらない
- 浮く
- ネットにかかる
- 打ち損じたりする
のがわかりました。
私が見ている部活動の生徒でも、そうなっている人が結構います。
そのうちの一人に、「ラケットヘッドをシャトルの位置に合わせるようにしてから、半身にした体を正面に向けていくときに打てばいいよ」と説明し、見本を見せました。
しかし、なかなか気づけないのか、肘を後ろに大きく引いたテイクバックで、肝心のラケットヘッド位置がまだシャトルや頭からほど遠いところにあるんです。
そこからシャトルを打ちに行くと、
- 面がずれてうまく当たらない
- タイミングが合わずにネットなどに引っかかる
などが続きました。
それでも繰り返しているうちにうまく当たる時があるので、本人は最初のエラーは気にしていないようですが、いざ試合となると、
- いきなりフレームショットが出る
- タイミングを外される
など、緊張も加わり、エラーから連続失点するのでした。
「今日は調子が悪いから」という一言で済ましてほしくないのが正直なところですが、やはりフレームショットには風、シャトル破損、そもそもシャトルが見えていない以外では、ラケットヘッド位置の準備が大きく関わっていると思うのです。
「シャトルを打つ」イメージは?
一般的に、「ラケットでシャトルを打つ」イメージはどんなものなのか。
オーバーヘッドストロークやサイドハンドストロークでは、私も最近まではバットでボールを打ったり、刀で竹を切ったりというイメージでした。
それを、できるだけコンパクトにするというように考えていました。
しかし、TAGOKENこと田児賢一さんの動画を見て、「ラケット面をシャトルに合わせにいく」という方法を実践していくと、準備が遅れずに体もその方向へ移動しやすくなりました。
オーバーハンドで試すと、今までフォアハンドで入り辛かったラウンド側もすっと身体が運ばれて入れ、体の前へシャトルを持っていくことが多くできるようになりました。
今までは、追い込まれてバックハンドで対応していたショットを、ストレートハイクリアで逃げることもできるようになりました。
しかし、まずラケットヘッドをシャトルに合わせたとして、
- そこからどう打つんだ?
- 最初からラケットをシャトルに近すぎると強く打てないでしょ?
と正直感じると思います。
やはり、遠いところからシャトルに向かってバーン!と弾くほうが、強く打てるイメージがありますから。
実際にイメージしたところにラケットを動かせているか?
今までのお話でも書きましたが、バドミントンは如何にエラーをしないかを競うゲームです。
つまり、正確にシャトルを運べるかどうかがその鍵を握っています。
しかし、本当にシャトルに対して正確にラケット面を当てられているのでしょうか?
私もショートサービス練習をよくやりますが、手に持っているシャトルに対してラケット面をまっすぐに押し出すだけでも、正確にできていないことがあります。
それだけ、自分のイメージと違った動きを体はしている可能性があります。
- まっすぐ動かしているはずがそうなっていない…
- そこに手があるはずがややずれている…
これを知った時のショックは、大きかったです。
どう「打つ」か
話がそれましたが、ラケット面をシャトルを打つ位置に合わせてからスイングすると、面のズレが少なくなります。
では、実際にはラケットは押すだけなの?というと、そうではありません。
それでは強く打てません。
テイクバックからシャトルに当てるまでは、ラケットヘッドはしっかりと円運動を行なっています。
しかし、トップ選手のスイングは速すぎて見えません。
映像で捉えることのできる上肢は、手の位置でした。
「あ、打つ前の手の位置はあまり変わっていないのかも」
スイングの支点は、ほぼ手の位置にあるのかもしれません。
右利きの場合のオーバーヘッドストローク
テイクバックで半身を作り左手は前方上へ、右肘は後ろへ位置。
そこから、脊柱の左回旋で肩が前へ出てくると同時に右肘が前へ移動し、同時に左肘は体側へ戻す。
その時に手の位置は変えず、ラケットヘッドが高速で左回りの円運動を行う。
ラケットヘッドが1周回って来たところで、手をシャトル方向へ押し出してインパクト。
同時に握りこむ。
脊柱の回旋は、上半身が相手に正面を向けた状態でストップさせておく。
すると、鞭効果が加わりラケットの円運動は加速し強く打て、さらに相手の返球に対しても準備が早くできる。
これなら、ラケットをシャトルに合わせる準備をしても、強く打つことができます。
また、グリップを握った手をシャトル落下位置に合わせておくことで、余計なラケット面の操作は少なくて済み、当て損じが減る可能性があります。
― ひとこと ―
これが実現されるためには、まずシャトルを遠くからひっぱたくイメージを変えなければなりません。
また、高速でラケットヘッドの円運動を作るためには、肩甲骨や肘の動きが重要な鍵を握ってくると思います。
ぜひ一度試していただき、打ち損じやエラーが一つでも減ることを願っています。
バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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