【有田圭一コーチ】「成長」を考える①
今回は、体力的な成長のお話ではなく、精神的な成長にスポットを当ててみたいと思います。
「スポーツには人を成長させる効果がある」とよく言われます。
「スポーツを通して成長しました!」という言葉をインタビューや面接試験などでよく耳にします。
好奇心や縁からスポーツに触れ、楽しさを感じることで続けていくうちに上達していく。
勝敗がつく競技では「勝つ」ことで動機付けが強化されさらに練習に励むことでしょう。
その過程で仲間たちとその感覚を共有し、人としての社会性も育まれていくこともあります。
時にはリーダーとしてチームを引っ張ったり、時にはリーダーをサポートしながら縁の下の力持ちを体験する。
辛い(?)練習に耐えることでより高みを目指すという意味では、いわゆる勉強とは違った成長を育めるチャンスがあると思います。
今回は縁あって手にした「パワーか、フォースか」(デヴィッド・R・ホーキンス著)という本をベースに「成長」を考えます。
あなたの自己肯定感は何点?
現在の教育現場では精神的な成長として「自己肯定感」を高めることが目標とよく言われます。
しかし、自己肯定感といっても曖昧すぎて実際に高くなったのかどうか具体的にわかりません。
成人して「精神的に大人ですね」と言われても具体的にわかりません。
「あなたの大人度は〇〇点です。」と測定されれば少し具体性が出てくるかもしれません。
私自身も大人としてのキーワードとして
- 「誠実さ」
- 「謙虚さ」
- 「忍耐力」
- 「気品」
- 「愛情深さ」
などを挙げられたとしても、「あなたの誠実さは100点満点の30点です!」とか言われればかなりがっかりという感じになります。
この本には数多くの被験者にキネシオロジーテストを施すことで測定された人の意識レベルがきっちりと書かれていました。
「フォース」「パワー」の領域
レベルは1〜1000という範囲内で17段階に分けられ、20以下は「恥」、700〜1000は「悟り」です。
生活に瞑想を少し取り入れているので、この本の中の表(P.101)を見た時に今まで曖昧で曇っていたところが一気に晴れわたった感じでした。
<意識レベル> (パワー領域)
- 悟り 700-1,000
- 平和 600
- 喜び 540
- 愛 500
- 理性 400
- 受容 350
- 意欲 310
- 中立 250
- 勇気 200
<意識レベル>(フォース領域)
- プライド 175
- 怒り 150
- 欲望 125
- 恐怖 100
- 深い悲しみ 75
- 無感動 50
- 罪悪感 30
- 恥 20
本のタイトルにもある200未満の「フォース」という領域は個人にとっても社会にとってもマイナスに働き、「パワー」という領域はプラスに働きます。
世界中の人の意識レベルを測定したところ1950年では192「プライド」というマイナスに働くレベルでしたが2014年には213に上がり「勇気」に入ったそうです。
バドミントンでは
さて、ここからはあくまでも私の考えなので「そんなこともあるかな」程度でお読みください。バドミントンに置き換えて考えてみたいと思います。
75までのレベルは行動に移せないのでスポーツは始めないでしょう。
ということはプレーヤーは100以上あると考えられます。
恐怖に怯えながらプレーしている、例えば親などからのプレッシャーがきつい場合は100あたり。抑圧されている人は自力で上へ上がることはできないようです。
人にもよるかと思いますが威圧的に接することは意識レベルの上昇を妨げますね。
そこからもっともっと自分を認めて欲しいという欲望の125。コート上で常に親や指導者の目を気にしている状態はこれでしょうね。
この状態は一つのターニングポイントになっていて、認めてもらえれば上を目指してさらに頑張る人も出てきますが、認められないともっと見てくれとアピールする人もでてきます。
しかし、それが叶わないと一気に深い悲しみから無感動へと下がっていくようです。
また「勝てるラケット」などの商法に引っ張られて追い求めてしまうのもこのレベルでしょうか。あれば面白いですが…。
もっともっと勝ちたいけどなかなか思うようにはいかず怒り出す150。怒りが頂点に達して泣いてしまうお子さんも見たことがありますね。
しかし、これはすべての人が通る道、正常です。
そこを超えて結果が伴い、自信が出てくると175のプライドへと上がっていきます。
このレベルではいわゆる天狗の状態。人を見下したり、嘲笑したりするようになります。
こういう指標でプレーヤーを観察してみるとどのレベルにいるのかなということが少し見えてくるような気がしました。
もっともっと勝ちたいと欲望丸出しでプレーする人、うまくいかずにイライラしてしまっている人、なんだこの程度かと相手を見下して油断している人など、いるいる、と心当たりはないでしょうか。
もちろん日常生活ではそういった部分はほとんど出ないと思います。
日本人の意識レベルは世界平均よりもずっと高いらしく、日本人が優秀な民族であるというよりは、ある役目を担っていると言う事らしいのです。日本人です!というだけでも誇り高いですね。
常に勝つ人
さらに私の私見ですが、シニア大会などで常に上位に食い込んでいる人たちの多くは、この意識レベルでいう200以上を維持しているように思えます。
接してみてお話ししてもとても挑戦好きでいろいろなことに興味を示し、試されています。
また勝ち負けを超えた仲間意識でプレーされてるのがわかります。そしてアドバイスをもらいに行くと惜しみもせずに色々とお話をしていただけます。
実際に自分のレベルを測定すればはっきりとしますが、この表に出てくる言葉をイメージするだけでも今はこの段階だから次のこのレベルをイメージしようとするだけでも少しずつ上昇していけるのではないかと思います。
より上達を目指してバドミントンを楽しむための参考となればと思います。
次回はチーム(組織)についても考えたいと思います。
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バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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