「目標」を考える①「勝つためには非情を作らなければならない」
現在、私と弟の家族は全員がバドミントンをやっています。
しかし、一番下の息子は中学校まで卓球をやっていました。
幼少期から練習によく連れて行っていたので、バドミントンをやるかなと思っていましたが、選びませんでした。
しかし、高校ではバドミントン部に入りました。
同時期に、弟の娘さんも高校でバドミントン部に入って頑張っています。
始めてから約1年、徐々に上達してきているのでしょう、「もうそろそろ父ちゃんにも勝てるんじゃね?」などと息子は言っています。
微笑ましいです。
最近では、
- TAGOKENさん
- ぐっちゃんねるさん
のバドミントンの動画なども見て楽しんでいるようで、バドミントンをもっと上手になりたい気持ちが高まってきているのでしょう。
そんな中で、Youtubeで2014全国選抜男子団体決勝ダブルスの下農・常山(東大阪大学柏原)対渡辺・三橋(富岡)の動画を見たらしく、「父ちゃんベンチに座ってね?」と気づいたらしく、少し自慢しておきました。
私もタイミングが合えば、ゲームや練習の相手をしています。
悔し涙
私たち社会人の練習会で私の息子はのほほんとしていますが(そう見えていろいろと考えてはいるようですが…)、弟の娘さんは負けるとよく悔しがっています。
先日もうまくいかなかったことが多かったのか、「なんか下手になってる!練習している意味ない!」と悔し涙を流していました。
「あるよね~」と自分が通ってきた道を振り返りながら、その時は何を言っても聞こえないだろうなと見守っていました。
最初は好奇心から単純に楽しいと感じ、続けていくと
- 勝ちたい
- 周りから褒められたい
- 優位に立ちたい
という、自分の内側に意識が向かいます。
それが自然です。
しかし、上には上がいるものでレベルが高い人たちに勝つためには、今の自分には何が足りないのかを客観的に分析し、いろいろなプレーを真似する必要も出てくるでしょう。
そうなると、いろいろな人の助けが必要になってきます。
指導者がついているときは、ある程度アドバイスもしてくれるでしょう。
しかし、「自ら学ぶ大切さ」を知っている指導者は、選手が自己中心的になっているときはあまり話しかけてこないでしょう。
成長のために
自分の姿を客観的に見るのは、なかなか難しいことです。
トップ選手でもコーチをつけるのは、客観的な目が必要だということでしょう。
トップを目指す選手がコーチをつけないという選択を何度か見たことがありますが、やはり伸び悩んでいることが多いようです。
自己中心的な考え方から抜けて全力で頑張り続けると、周りが助けてくれることも多く、メンターに出会うこともあると思います。
しかし、
- 時間を作って本を読んだり
- 人と会って話を聞いたり
しないと、なかなか難しい問題です。
上達するためには、必ず他人と関わることになります。
ときには、対立することもあるでしょう。
それが学びという経験なので、怖がっていては本来の目的である上のレベルへの成長、変化を起こすことができません。
そこにはある程度の苦しみや痛みを伴いますが、それは他人からもたらされるものなのです。
周りの嫌な人や出来事を、避けてばかりしていませんか?
あまりにもつらい場合は一旦逃げてもいいですが、乗り越えられない壁は存在しないといわれていますし、逃げても必要な「学び」はまた必ず起こると言われています。
日本一チアリーダーチームに学ぶ
「学び」といえば、学校教育が代表的です。
高校日本一のチアリーダー部の監督のお話を聞く機会があり、とてもいい学びとなりました。
- 目標は日本一
- 目的は自信をつけさせること
だと、話をされていました。
- 練習がすべてで、本番では80%の力が出れば上出来
- 逆に言えば80%の出来で勝ちにいく
とのことでした。
- 失敗を繰り返し克服させることを練習の内容に盛り込むことで、自信につなげたい
- しかし、本気でやらないと成長が小さいので、常に全力でやっているかどうかを見ている
そうです。
チアリーダーは女子チームですが、監督に言わせると女子は相当粘り強いが、目を離すと上手に手を抜くそうです。
「“手を抜く”を“見抜く”」目が大切とのことでした。
面白いですね。
男性の私には、わからない世界があるのでした。
また、団体競技なので個人の責任が薄くなりがちですが、個人の目標を言わせて“有言実行”させるとのことでした。
チアは、表現力がとても大切です。
しかし、考えない選手はその表現力が乏しいので、学ぶ姿勢を育てるとともに、考えるという行動も含めて学力は重視されています。
成績が悪いと、練習には参加できなくなるルールがあるとのことでした。
最後に、周りの力に助けられていることに感謝することは大切ですが、それを言葉に表すということも重視されています。
目標を強化する
チアリーダーのドキュメント番組で、キャプテンが泣きながらメンバーに訴えかけるシーンを見たことがあります。
日本一を維持しながらも、そんなに泣くくらい苦しむこともあるんだと思いました。
しかし、それは日本一という目標に向けてさらにステップアップさせるためだと考えられます。
目標に向けて動き出すのは、状況や結果が最も悪化したときがきっかけになることが多いのですが、それでは日本一に突き抜けるためには不十分なのでしょう。
目標を達成させるために、
- 意図的に過小評価して大きく落ち込ませ
- そこから大きく這い上がらせるために準備させ
- やる気を発揮させる
というサイクルを回しています。
一流選手ほど意図的に大きく落ち込み、そこから大きく這い上がるというプライオメトリックス効果を定期的に取り入れているのです。
すごい演出ですよね!
まさに、チーム総力戦です。
勝つためには、非情を作らなければならない。
監督一人だとなかなかできない部分を、たくさんのスタッフが支えているのもわかります。
次回は、目標の作り方などのお話もしていきたいと思います。
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バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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