「一流選手の言葉」を考える②常に相手に見られていることを意識する
前回に続き、福万尚子さんの講習会から学んだことをまとめてみました。
ダッシュの後はラダートレーニングでした。
といってもラダーがなかったので、シャトルを地面に並べてその間に色々なステップを入れていきました。
合計で10種類くらいのステップを、行いました。
- 両足同時
- 片足けんけん
- ジグザグ
などを、高速で正確にシャトルに触れないように行います。
かなり難しいパターンも、ありました。
しかし、後の彼女の模範プレーを見てみると、この細かいステップによるタイミング取りと方向転換が非常にスムーズに行われていました。
“彼女の動きの原点はこれかも”と思いました。
最近の桃田選手のYoutube動画(桃CHANNEL ”https://www.youtube.com/watch?v=NKxqcWDORrI”)でも、このラダートレーニングが紹介されていました。
「考えと行動を一致させる」と話されていて、
- 自分のイメージしたどおりに体を動かせること
- 相手のショットに正確にタイミングを合わせること
は、戦術上とても大切なことだと思いました。
一本一本の精度を把握できているか
ステップ走は数セットずつ行われていましたが、なんとなく惰性でやるのではなく、今の動きはどうだったのかをちゃんと一つひとつ意識しなければいけないと話されていました。
- なぜうまくいかなかったのか
- なぜうまくいったのか
- もっと速くできないか
- エラーをしないでできないか
などを常に考えて、一本一本に目標を作ることを強調されていました。
初めての経験は新鮮なので、脳は感覚的にいろいろな情報を受け入れようとします。
しかし、繰り返してくると脳は運動を自動化していくので、感覚を無視するようになります。
そうなってくると、一つ一つの動作を細かくチェックすることをせずに、「なんとなく」で繰り返してしまいます。
このトレーニングの指標は、「いかにシャトル間に正確に速く足を入れることができているか」です。
シャトルを倒せばエラーははっきりしますが、シャトル間の「どこ」に足を入れるかという意識まで持とうと話されていました。
私事ですが、最近のゴルフラウンドで全く上手くいかずに、たくさんボールを叩きました。
大変悔しかったので、ラウンド後に練習場でボールを打ちまくりました。
しかし、うまくいきません。
その後、動画などから基礎を学び、練習を重ねていくとたまにいいショットが出るようになりました。
しかしうまく繰り返すことができません。
少しのズレで、球はいろいろな方向へ飛んでしまいます。
バドミントンや野球などボールを打つ競技は、動いているボール(羽)だから当てるのが難しいと言われます。
しかし、止まっているボールを打つゴルフは、もっと難しいと感じました。
なぜなら、非常に高い精度を求められるからです。
はっきり言って、バドミントンはゴルフに比べると、かなりアバウトな精度だと言えるかもしれません。
ゴルフ指導者は、構えを見ただけで結果がどうなるかわかるようです。
バドミントンにも共通する部分はありますが、ゴルフの方がかなりシビアです。
バドミントンでは移動を伴うので不確定な要素が多く、この部分を直せばこうなると断定するのはかなり難しいのですが、結果と自分の感覚を頼りに細かく精度を見極めていく作業は非常に大切であると感じました。
ゴルフから学ぶものは、多いです。
常に相手に見られていることを意識する
コート上では、様々な情報があります。
- 自分や相手の体格やスピード
- 自分や相手のショット
- 自分や相手の感情
- 自分や相手の状態
などですが、勝つためにはそれらの情報をいかに活かして戦術に組み込むかが大切です。
「自分」と「相手」とあえて書きましたが、体格やスピード、ショット情報は隠せませんが、感情や状態は隠す、もしくは偽ることができます。
福万さんは、トレーニングをして疲れている姿を見て、「疲れている姿を相手に見せない!」と注意されていました。
そういう情報は相手の気持ちも安定させますし、戦術に組み込まれてしまいます。
膝に手をついて休憩するのではなく、歩いて回復させなさいと話されていました。
上級者を見れば、コート上ではさほど感情を出さずに淡々と戦っています。
心の中では、いろいろな葛藤があるでしょう。
しかし、相手にとって有利な情報はあえて流さないように心がけることが大切で、それは普段からの行動にかかっていると指導されていました。
試合では集中してやるので。そんな疲れた姿は見せない!と考える人もいますが、「試合でやらないことはやらない」と話されていました。
困難な状況に出会ったとき、逆にいい結果が出たときにどう反応するか。
相手にとって有利になる情報をどう扱うかを考えながら行動することが、日常で試されているということですね。
「できた!」でおわること
ステップも、単純なものから複雑なものへと移行していくと、うまくできない人も出てきます。
しかし。○セットという設定がある場合は、必ずゆっくりやってみてでも“できた!”でおわること、と話されていました。
やはり、成功体験は大切です。
今の自分には、「ゆっくり」が見合った目標であったわけです。
そして、徐々にスピードを上げていくことを繰り返していくと、知らず知らずのうちにより高いレベルへ行けるということですね。
そして、できないことができたときに「しっかり考えること」と、話されていました。
教え合い、学ぶこと
大切なことは、フィードバック。
自分自身でできることもありますが、周りのチームメイトにフィードバックされる方が、自分では気づけないところの発見にもつながります。
「教え合い、学び合うこともチームとして取り入れられれば理想ですね」と話されていました。
個人スポーツに位置づけられる、バドミントン。
しかし、協力して全体が上がると、もっと高みに行けると体験談を話されました。
この辺りも、今のチームにどう取り入れていくかを指導者の立場として考えさせられました。
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バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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