【有田圭一コーチ】「パターンを変える」を考える①脳の3層構造から考える新しいパターンとは?

有田圭一

  1. ストレートに打ってからクロスに打つ
  2. ネット前に落として上げさせる
  3. プッシュで押してストレートを待つ
  4. 体正面を狙って相手ラケット側に来るサイドを待つ
  5. カットを打ってから強打する

バドミントンを始めてしばらくするとみられる、典型的なパターンを挙げてみました。

そこには、以下のようになるだろうという予測が働いています。

  1. ストレートを取るとセンターに戻っていないのでクロスで追い込める
  2. ネットをぎりぎり打つのは難しいので上げてくれる
  3. 強い球はクロスに返せない
  4. 体の正面はラケットを横に振るのでラケット側のサイドに来る
  5. 前に落とすと後ろに下がっていないので強打が取れない

まずは、このパターンで攻めると相手を追い込みやすく、得点もとりやすくなると思います。

相手を追い込むまでのショットの精度を上げるためには、繰り返し練習する必要があります。

が、試合などで試していく過程で効果が出てくると、「気持ちいい」と感じてモチベーションが上がり、さらに練習を重ねていけるようになるでしょう。

精度を上げていくことは、とても大切です。

しかし、勝ち上がっていくと当然、相手も同じ壁を乗り越えてきた経験があるでしょう。

  • ストレートに打った後でクロスを待ったり
  • ネット前から上げるふりをしてクロスネットを打ってきたり
  • カットを打った後に強打と見せかけてさらにカットを打ってきたり

と、パターンの逆を突いてきます。

脳の3層構造

人間の脳は3層構造になっていて、

  • 思考を司る人間の脳
  • 感情を司る哺乳類の脳
  • 行動を司る爬虫類の脳

があります。

パターンが決まり得点できてくると気持ちよくなり、感情を司る哺乳類の脳が活性化します。

モチベーションにつながる、非常に大切な働きです。

しかし、一度味わった快感はなかなか忘れることができないため、同じパターンで決まるイメージ通りに打ってしまうことが多くなります。

その辺りをうまく狙われて、足元をすくわれる事もあります。

パターンを読まれてやられた後は、振り返って変えようと思うのですが、いざ同じような場面に出くわしてもなかなか変えることはできません。

パターンを変えるには、大きな不安感を伴うためです。

「変えて負けるくらいならやりたいことをやって負ける方がまだマシ」

こういう思考になったことは、ありませんか?

もちろん、否定はしません。

それぞれの課題は違いますから。

哺乳類の脳は、身を守るために感情的で強い恐怖心を持っていて、未知の刺激を嫌います。

これは、本能的なものです。

それを真面目な人は

  • これじゃダメだ!
  • 変えなければならない!

と人間脳の思考で責めます。

しかし、ただ感情脳は不快感を感じるだけで拒絶します。

強い不安感を持った状態では、気持ちのいい新しいイメージは脳に定着しません。

人が新しいパターンを身につけるためには、それが「気持ちいい」まで発展しなければならないのです。

本能からの支持を無視する方法

かつてうまくいっていたパターンが良い結果に繋がらなくなると、不安感が襲ってきます。

勝つためにはパターンを変えなければと思うのですが、脳は成功イメージを持つ元のパターンを実行したい。

変える不安との葛藤に負け、結局パターンを変えることができずに、あるレベルで成長が止まってしまう人を多く見てきました。

もっと根深いところに、変えない理由があるようです。

なぜパターンを変えなければならないのかを真剣に考え、その支障になっている「変わりたくない本能」をいかに乗り越えるかが大切になってきます。

変えられない人は、ただ哺乳類脳からの「変わるな!」信号に従っています。

あなたの責任ではありません…。

変えるために大切なことは、感情脳が働かないうちに行動脳を刺激するようにします。

体から感情へと作用させていく方法です。

それは、「気づいたらすぐやる」という行動です。

やって気持ちいいか悪いかを考えないうちに始めることが大切で、人は20秒迷うと感情脳が働きやらない選択をすると言われています。

習慣化されるまで最低4日かかるそうなので、とにかく最初は継続せざるを得ない状況を作りましょう。

例えば、目が覚めたら目の前にラケットを置いておき、とりあえずギュギュッと握るなども面白いですね。

そのような、「とりあえずやってみる素直さ」が習慣化されていくと、周りがよく見えてきます。

我欲で曇ったレンズが、透き通ってくるためです。

こうなってくると、目が変わってきます。

はっきりと開き、輝きだします。

面白いもので、こういう目をしていない人は、まだ曇りレンズを通して周りを見ているためぼんやりとしています。

周りにたくさん転がっている、良い見本から学ぶことができません。

情報入手が簡単になっている今では、

  • 良いパターン
  • 練られたパターン

が、身の回りにたくさんあります。

しかし、曇った眼では見えないのです。

「変える」と決意したなら、

  1. まず、やってみる。
  2. そして、他人の意見を聞く。
  3. それから、考えて試す。

上達する人は、この素直さと謙虚さを兼ね備えています。

パターンを変えるというお話から深く掘り下げてますが、本当に変えなければならないのは、そういった本能を超えるところからだと思います。

次回は、具体例を出しながらお話ししたいと思います。

ーひとことー

新入生の授業を担当していると、たまにですが

  • うまく成功するにはどうすればいいですか?
  • どうやったら学力が上がりますか?

と、単刀直入に聞かれることがあります。

現状維持に満足せず向上しようとしているけれども、なかなか糸口が見つからずに悩んでいるようです。

人は、習慣の生き物です。

その習慣を変えるには、しばらく周りの人と距離を置かなければならないこともあります。

まずは、「それに耐える気持ちはありますか?」と聞きます。

そこから、

  • 小さいことからやってみること
  • それを継続すること
  • モチベーションの維持方法

のお話しします。

コツコツと実践して変えられる人はやはり少ないですが、成功している人はそのあたりの微差を見つめているようです。

私も、何とかその微差を実践するよう心がけています。

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この記事を書いた人有田圭一有田圭一
バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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