【有田圭一コーチ】「やる気」を考える②バドミントンの本当の楽しさとは?

有田圭一 メンタル

前回は、あきらめからの苦しみのお話をしました。

【有田圭一コーチ】「やる気」を考える①自分のモチベーションを理解する!

その悔しさが今でも残っているのか、今でも全力でバドミントンと向き合っている今日この頃です。

究極の技?

バドミントンでは、ネットインしたりオンラインにシャトルが落ちると、究極の業のように感じることもあると思います。

しかし、そんな概念を完全に壊してくれたのが、常山幹太選手(現トナミ運輸)と渡辺勇大選手(現ユニシス)のシングルスでした。

インターハイで対戦した二人。

サブ会場での試合で、観客も少なかったと思います。

私はコーチ席で2人の試合を見ていましたが、それは技術も意識もとてつもなくレベルの高い試合でした。

巧みな戦術でリードする渡辺選手についていく形になってしまった常山選手ですが、常山選手のヘアピンがネットイン。

「きた!」と思いましたが、それをヘアピンでネットインさせて返球する渡辺選手。

「マジで?!」と驚き、ここでやばい!と上へあげてしまいがちなところを、常山選手はさらにヘアピンでネットイン。

「え・・・?!ネットインの応酬ってできるの?」

結果は、そこから常山選手が大逆転で勝利するのですが、この試合を見て、ネットインやオンライン上であったとしても、それが100%の武器ではないのだと確信することができました。

そして、私がネットインを上げることができずに苦しんでいた高校生時代の囚われを、完全に壊してくれました。

もちろん、常にできるものでもないと思いますが、返せる可能性があると思えたこの経験は、その後の私のプレーに大きく影響していると思います。

私はバドミントンを続けていく中で、絶対に勝てないでしょう…という人たちを目の前にしたとき、怖さと恥ずかしさで惨めな思いになってきました。

そこから逃げるのも一つの選択肢ですが、「あきらめた」という経験は次に何か挑戦していないと、いつまでたっても自分を苦しめ続けます。

  • なんとなくやる気にならない
  • 負けてモチベーションが下がる

という人は、まだまだ独自の「これ」というものに出会っていません。

追い求めるかどうかもその人次第ですが、他のスポーツ同様バドミントンにも、とてつもなく面白い学びと経験が詰まっています。

私は、その部分に少し触れることができているので、大きな故障を負っても体の色々な部分が痛んできても、それを何とか克服するためにいろいろ勉強して実践し、周りからの理解もあり続けることができています。

そうなると、自分自身の力だけではこのスポーツを続けることができていないことも、わかっていきます。

一流選手が「感謝」という言葉をよく使う意味が、ほんの少しわかるようになってきた今日この頃です。

本当の楽しいを伝えてくれる”ハイキュー”

この内容を書こうと思ったのは、「ハイキュー」というアニメを見たからでした。

高校バレーボール部のストーリーですが、そこに出てくる一人ひとりの感情やモチベーションの揺れを見ながら、「本気の楽しい」はどうやって生まれてくるのかを見ることができたからでした。

主人公の日向翔陽が言葉にした「まだ試合をすることができる、コートに立つことができる」という言葉に感動し、「たかが部活だろ…?」と冷めていた月島蛍の変貌に涙しました。

ハイキュー89話のある会話シーン

  • 木兎「月島君さ!バレーボール楽しい?」
  • 月島「いや、特には……」
  • 木兎「それはさ へたくそだからじゃない?
  • 月島「……」
  • 木兎「俺は3年で全国にも行ってるしお前よりも上手い。断然上手い。」
  • 月島「言われなくてもわかってます。」
  • 木兎「でもバレーが”楽しい”と思う様になったのは最近だ」
  • 月島「?」
  • 木兎「”ストレート”打ちが試合で使い物になる様になってから。元々得意だったクロス打ちをブロックにガンガン止められて、クソ悔しくてストレート練習しまくった。んで、次の大会で同じブロック相手に全く触らせずストレート打ち抜いたった。」
  • 木兎「その一本で「俺の時代キタ!」くらいの気分だったね!」
  • 木兎「”その瞬間”が有るか、無いかだ。」

私は身長も低く肘も壊していたので、強い球さえ打てませんでした。

持久力にはそこそこ自信がありましたが、それ以外にこれといった武器はありませんでした。

しかし、

  • ラウンドからのストレートのチェックスマッシュとクロススマッシュの打ち分け。
  • ラウンドに誘うフォア前からのクロスアタックロブ
  • そのフォア前に誘うためにどうラリーを作るか

を、いつも考えていました。

何か武器になるものは大切です。

それを、狙われてもいいのです。

それを、囮にもできるからです。

このバレーボールの戦略は非常に面白く、バドミントンにもたくさん応用できると思いました。

ラリーポイント制となった今は、点取り合戦になっています。

  • 取られても取り返す。
  • 少し早く点を取った方が勝ち。

まだ見ていないという方、またもう見たという方も、もう一度初心に戻ってバドミントンを楽しむためにぜひ見てください!

感動すること間違いなしです!

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この記事を書いた人有田圭一有田圭一
バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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