【岩垂コーチ】バドミントンが上手くなるために必要な「メンタル」とは?
第5回目となる今回は、前回の「選手たちの集中力を持続させるための考え方」に続き、「バドミントンに必要なメンタル」についてです。
メンタル=考え方
メンタルとは考え方が基礎となります。
バドミントンに必要なメンタルとは、どんな時もプラス思考で物事を捉えて実行できる考え方だと私は考えます。
バドミントンの試合はお互いの力が拮抗すればするほど、プレーが組み立てたとおりにいく時とそうではない時、流れが自分にある時と相手にある時など、状況が目まぐるしく変化します。
その中での考え方は、プラス思考な時もあればマイナス思考の時もあります。
ポジティブ思考、マイナス思考と表現してもいいでしょう。
脳は自分が強く考えていることを実行させようとするので、良い結果を望めばその結果を得るための行動を、悪い結果を望めばその結果を得るための行動を選択するようになります。
試合で勝ったときの喜びを知っていればなおさらに 誰しも勝ちたいと思っていいます。
だからこそ、良い結果を得て、自身も成長するために、全てをプラスに考えて物事に取り組める力の基となる「メンタル=考え方」が重要となります。
自ら気づかせる思考を鍛えてあげる
しかし、実際には選手や保護者の方から多く聞く言葉として、「自信がない」です。
「どうして?」と尋ねると、
- 試合で練習どおりにプレーできない
- 練習時間が短かった
- 今まで勝ったことがない
などという言葉が返ってきます。
これらは、指導者や先生であれば、一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。
さらに、このような言葉を聞くと、「何とかしてあげたい。」という思いから、
- 大丈夫だよ
- がんばろうよ
- できるまでやろうよ
という言葉をかけてから選手や生徒にアドバイスした経験があるはずです。
私は思います。
そんな状況の時こそ、バドミントンに必要なメンタルを鍛える絶好のチャンスだと。
考え方はそれまでの知識と経験から生まれます。
その中で、無意識に判断していることがほとんどなので、考え方を向上させてより良い結果を手にしていくためには、より良い考え方を意識して日々考え方を取り入れながら、心を鍛えていく必要があります。
そのためには、我々指導者が選手や生徒に考えさせる時間を与え、自ら気づかせることで彼らの思考を鍛えていけます。
先程の「自信がない」という言葉に対しては、「どうして?」と質問をして返答を聞いた後に、「自信をつけるためにはどうすればいいと思う?」と考えさせる質問をすると選手や生徒が自ら考え返ってくる言葉も違うはずです。
自信をつけるために何をすればいいかを考えて行動に移すという経験は、選手や生徒にとって前向きな考え方につなげるための大事な知識と経験になります。
これを繰り返していくことで、前向きに考えることが習慣化して選手や生徒が成長していきます。
「考え方のヒント」を与える
バドミントンの試合は、言い方を変えると常に自分の力や考え方が試されているのです。
困難な状況が訪れるのは、その時にその状況を自分の力と考え方で乗り越えられるかを試されています。
その時に、実力があっても考え方やメンタルが伴っていない場合は、困難な状況を乗り越えられず、望む結果を手にすることができないでしょう。
大事なのは考え方・メンタル・技術のバランスであり、すなわち総合力です。
自らの考え方が全ての選択につながり、その選択が結果となって表れる。
人生と同じように、試合でもすべてが「原因と結果の法則」で成り立っていることを我々指導者は忘れてはならないのです。
ジュニア期からどんな時もプラス思考で物事を捉えて実行できる考え方を鍛えていくことはバドミントンに欠かせない要素となります。
根性論ばかりの厳しい練習を乗り越えることで鍛えられるメンタルもありますが、今の時代とはマッチしません。
選手や生徒のメンタルを鍛え成長スピードを加速させていくためには、練習と同じぐらいに彼らの考え方とメンタルを育てていくことを大事にしていく必要があります。
指導者や先生の指導により、自ら考え実行し、様々な状況をプラス思考で乗り越えていけるメンタルを持った選手や生徒がたくさん育つことを願っています。
考え方を与えるとは、生徒や選手に「考え方のヒント」を与えることであることも指導者側は心得ておくことが大事です。
次回のコラムも是非おつきあいください。
長野県の松本・塩尻地域を中心に、茅野・諏訪地域や千曲・上田地域でも活動するバドミントンアカデミー、「ミンピーベーサー」のヘッドコーチを務めている。現在、園児から高校生までの子ども達が、自分の目標達成や夢に向かって切磋琢磨しながら、それぞれの特性や個々の実態に応じた指導を行っている。さらに、バドミントンのレベルアップだけでなく、メンタルコーチとして人としての生きる力を高めることにも力を入れて活動している。
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