3Dの戦術を加えてみる

講師一覧 有田圭一 テクニック メンタル

【質問】

小学生6年生の時に全小個人戦(ダブルス)に出場した
経験を持つ中学生の指導をしております。

その選手は現在は主にシングルスの選手として
活躍をしております。

練習試合や対外試合ではクリアの正確性は悪くはない
のですが、何故か公式な県大会などになるとバックアウトが
極端に多くなります。先日は1ゲーム目で6連続バックアウト、
2ゲーム目で4連続バックアウトの連続失点が原因で、20-22・
21-16・14-21のスコアでベスト4を逃してしまいました。

どうしてこんなにクリアのバックアウトが多くなるのか、
本人も原因が分からず悩んでおります。

メンタル面が原因なのかと思っておりますが、
何かアドバイスがありましたら宜しくお願い致します。

<答え>

クリアの高さに変化は無いでしょうか。
ジュニア期は“点数が欲しい”あまりにとりあえず
追い込めそうなドリブンクリアを多用する選手を
多く見かけます。

オーバーハンドがぎこちない選手に対してドリブンクリアは
有効ですが、それ以外ではショートカットされたくない、
またはより効かせるために「さらに速く、さらに低く」
打ってしまいがちです。

もしそうなら何のためにドリブンクリアを打つのか、
なぜそれを選択したのかをじっくりと聞いて上げてください。

「負けたくなかった」
「早く点が欲しかった」
「長いラリーが嫌だった」
「とりあえず打っとけば大丈夫だと思った」

などの返事が返ってくるときは「勝つ」ことに拘り過ぎて
いるため、なかなか周りからのプレッシャーを乗り越え
られません。ラリーを自ら工夫して楽しめる練習を入れて
いかなければならないと思います。

それ以外の答えであれば「もう少し高く打てば」
「相手をコート奥へ押しやってから攻めよう」などの
アドバイスが効いてくると思います。

もし、高くハイクリアを打てているならばより高く打てば
バックアウトはしません。滞空時間が長いハイクリアでも
相手をコート奥へ追い込めばとても良い攻めになると思います。

世界のトップレベル選手が時にゆっくりとしたラリーに
見えるのはこの高さを上手く使えているときです。
平面の戦略にぜひとも3Dの戦術を加えてみてください。

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