運動にはもっともっと深い動かし方が存在し、パフォーマンスの決定に筋力トレーニングが大部分を占めるものではない

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有田圭一です。

週末は強化練習会が中止になったため、申し込んでいた韓氏意拳の初級者講習会を体験してきました。

高橋佳三先生のフェイスブックから甲野善紀先生の対談を紹介され、そこで紹介されていた光岡英稔氏の講習会では「皆前向きで全くそのような体罰が起こらない」ということでした。

もちろん求めて受ける人が多いそのような講習会では起こりにくく、こちらに目を向けない学校現場などとはやや差があることは感じるのですが、その方の対談の文庫「荒天の武学」を読みました。

そこで、一度その韓氏意拳を体験してみようと思ったわけです。

さて、会場に入ると皆「カンフーシューズ」。

むむ!体育館シューズは私だけか…と少しそこでビビってしまいました。

守伸二郎先生が講師でした。

後から調べてみると本業は呉服屋さんで「日本一強い呉服屋」と呼ばれているようです。穏やかな表情で韓氏意拳をいろいろな方向から説明していただきました。

「こんな話は全くかけ離れているようですが…」と話されていましたが私には意外とその話がすっと入ってきました。

先生の話では「ノートなどにメモを取ることも大切かもしれませんが、頭に入ることしか結局入りませんから…」とノートにメモる私たちに話されました。

メモを取ることに必死で話のつながりに意識を向けられなかった私の行動に少し恥ずかしさを感じながら、ノートを取るよりも全力で話を聞こうとその時に気づきました。

先生のシャツの背面には韓氏意拳の四大原則が書かれていました。

「自然舒展」「一形一意」「整体参与」「自然産生」の4つです。

型を通して自分をどう見るかという光岡氏の言葉を反映したものだと思いました。

手を前後に動かしたり、上下、開閉させたりとよくある光景だなと感じながら真似てましたが、先生に腕をもたれたり誘導されたりしながら「そうそう!」と言われたりもしましたが、その時はそうなのだと感じましたが、次の動きになるとまたまた動かそうとしている自分が出てきて「・・・」という沈黙の指導。

ことごとくいろんな動きの例を受けながら誘導されていきます。

周りの人は「フーハオ!!」(おそらくすばらしいの意味かなと思います)という言葉で次から次へとクリア。

次第に先生が私のところに来ることが怖くなっている自分がいました。また自分で動かしてしまって修正されるのかなと…。

そんな中でもう一人全くの初心者の方もおられました。

その人は「フーハオ!いいですね~」と声をかけられていました。

いろいろな価値判断からそうあるべきという常識とされる固定観念から逃れられない自分の思考体系にすっかり嫌気がさし、一人シューズを履いているのを脱いで裸足でやってみることにしました。

まだまだ「バドミントンやってますよ~」という気持ちが少しあったのかもしれません...お恥ずかしい。

そこから、少し地面に立てている感覚になり、その時に安定している立ち方の指導がありました。

背中を壁にもたれさすイメージで立て、腰骨はそんなに後ろにそらさない。

股関節と肩関節の位置を調整すると感覚的には「何となく後ろに転けそうで不安定」というものでした。

しかし、身構えた時にはぽこっと押し倒されたにもかかわらず、同じように前から押されても横から押されてもお腹の辺りで何となく耐えられるようになっていました。

「不安定こそ安定するのです」この言葉がすっとお腹の方に入ってきた感じがしました。

「不安定では身体が若干動いています。動いている方が安定するのです。安定の逆は不安定ではなく固定です。」この言葉には身体だけでなく思考も同じであると思いました。

身体を柔らかく使うことから心を柔らかくする。心や表情や言葉を柔らかくすることから身体を柔らかくする。

韓氏意拳に一歩踏み入れる準備ができたかどうかの卵の段階ですが、機会があればまた参加してみたいと思います。

 

「練習は一人でするものです。間違っていたとしてもやめてはいけません。

上手くいっているかなという感覚は実は脳が作り出している錯覚です。

なんだかよくわからないけど続けていくうちに「それ」はでます。

それは意識を通り越したものなのでつかむことは出来ません。

次の機会にそれらの間違いは修正できます。またよければお越し下さい。」

 

やや誇張して表現していますがそのような話をされて講習会は終わりました。

次の機会があるかわかりませんが、練習は続けていきたいと思っています。

終わった後は「フーハオ!」って言われたかったな~と思いましたが、言われていたらもしかするとモチベーションが下がっていたかも、これで良いんだと変な気持ちがおこり勘違いしてしまっていたかもとも思いました。

バドミントンというの狭い世界の中で、積み重ねてきたものを宝のように大切にしまい、徐々に頭の固くなっている自分がいました。

運動にはもっともっと深い動かし方が存在し、パフォーマンスの決定に筋力トレーニングが大部分を占めるものではないことを頭に置き、これからももっともっと動きを観察していきたいと思います。

この記事を書いた人有田圭一有田圭一
バドミントンの名門校として有名な、「東大阪大学柏原高校」バドミントン部元顧問 バドミントン協会公認コーチ 短期間で、選手を劇的に成長させるその指導手腕が注目され、 これまで数多くのバドミントン雑誌で取材を受ける。 また、バドミントンの技術研究と、効果的な上達ノウハウの普及活動に余念がなく、 全国のバドミントンプレーヤーに人気のサイト、「バドミントンアカデミー」を運営。 選手としては、中学から大学在学中まで、バドミントンをプレーしており 個人戦で、継続的に全国ベスト16~32の成績を残した、優秀な選手でもあった。 シニア選手としても活躍し、全日本はもちろん、世界シニアにも出場している。
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